バプテストリー
今月(2017年12月)から何回かにわたり、「責任性の年代(The Age of Accountability)」という小論を翻訳連載いたします。Clifford Ingle, ed., Children and Conversion(子どもと回心)(Broadman Press, 1970)に所収のもので、広範な読者を念頭に読みやすく執筆されています。しかし、小さな人たちの入信を論じたその内容は(他の所収各章共々)当該分野における米国南部バプテスト初の学的論考で、古典的な資料となっています。
著者はウィリアム・L. ヘンドリックス(William L. Hendricks)。サウスウェスタンバプテスト神学校、シカゴ大学、ユニオン神学校等で学んだ神学者で、本稿執筆当時はサウスウェスタンバプテスト神学校の教授職にありました。その後、サザンバプテスト神学校に移り、2002年に天に召されています。良き時代の南部バプテストを生きた神学者の一人と言えるでしょう。
本稿をはじめとする一連の論考は、すでに1960年代から顕著になり始めていた 南部バプテスト諸教会におけるバプテスマの低年齢化という問題が背景となっています。自覚的信仰を重視するバプテストにとっては、避けて通れない問題でした。課題はその後、南部バプテストの変容とそれに伴う教勢主義等の影響を受け、議論の舞台から姿を消していきます。しかしながら、バプテスマの低年齢化という問題は、バプテストにとっては時代を越えた 常に今日的な課題と言うことができるでしょう。
本稿を課題提起の古典的参考として、そうした事柄についていま一度 思いを巡らせられたらと思います。
(掲載は随時、不定期)
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